ミシマダブル

幸運なことに、「サド公爵夫人」「わが友、ヒトラー
どちらも観劇することができました。


パンフレット、まだ斜め読みしかしてないんですけど
パっと目に入って覚えているのは「内容は特にない」という言葉・・
ちょっと意訳してしまってるかもしれませんが。


三島が描きたかったことを舞台化した、といったことを蜷川さんがおっしゃっていたので。


ヒトラーの1幕終了後に、それを目にしたあとは気楽にみることができました。


三島作品、といった、比喩が散りばめられたながーーーーーいセリフを
基本的に超スピードでまくし立て続ける舞台、といったところです。
多分、比喩を直接的な表現に言い換えれば、すごい短い話。
かといって、それでいいか、といわれるとそういうわけでもなさそう。
だって、それがミシマじゃん! ってことだと思うんですが、どうでしょう・・・。


まず、ヒトラーで表現したかったこと
ヒトラー、かっこいい!
ヒトラーの狂気をちょっと見せたい!
・友情を超えそうな男同士の友情をみせたい!


ま、まず軍服姿が一種の萌えですよね。きっと。コスプレだもんな。
おはなしが始まる前に、観客の前でセットを組んだり、舞台の後ろのトビラを開けて
渋谷の街を見せたり、その手法自体が、いろんなところで批評されてるけど「虚構をこれからおみせしますよ」という合図、だと。
私はそこまで壮大な汲み取り方はできなかったけど
どうぞ!舞台をご覧ください!ヒガシと斗真が美しいよっ!
っていってるようなきがしたのですよね。。。
客席もほぼ、2人のファンという感じで、9割5分は女性。
軍服で、昔の事を語りながら「きゃは〜☆」といちゃつく(ようにみえる演出)のは
美しい二人だから成り立つことだし。。。
立ち姿綺麗だし。


3幕の斗真ヒトラーは、ヒトラー自身も粛清というある意味暴挙に出て、
これからあの、みんながしっているヒトラーに成って行く・・・という含みを持たせるシーンなのですが
斗真はこれから化けますよ、ってことを蜷川さんが演出して説明してくれてるようにしか見えませんでした。
あの狂気のシーンは、みんなが目のさめるシーンだったと思うよ。(本当の意味でも 笑)
怒鳴ったり、すがったり、手を震わせたり、、、。


船漕いでる人、多かったけど、その気持ちもわかる!
なぜなら、セリフのほとんどに意味がないからです。


そして、「サド公爵夫人」
こちらも、オープニングとセットは全くおなじ。
出演者全員男性で全員女性を演じる、ということがとても三島っぽくて意味があるんだな〜と。
(篠井さんとかがやられたときも、チラシだけは強烈に覚えています!)
こちらは効果音に歌舞伎テイスト。


一応、人間みながもつ裏側を描く、的な裏テーマがありそうですが
ここで衝撃的だったのは
斗真がかわいすぎる!!!!
ということにつきますかね。。。。


いえ、内容も、ヒトラーよりも内容が汲みとりやすく、笑うポイントもありそういう意味ではおもしろかったです。
ヒトラーは男の話だし政治や戦争絡みの話なので、男性のほうが盛り上がれると思うし。


それにしても、斗真が本当にかわいかったんですよ(しつこい)


カーテンコールで出てきて、おじぎ(ドレスだからみんな女性おじぎ)する姿が
どこぞの町娘や!ってくらいかわいくってかわいくって・・・。
ストーリー終わったあとなのに、完全に女子!
綺麗とかじゃなくて、かわいすぎる!!!!!
会見のときよりも、多分演じることを積み重ねてどんどん出来上がってきたような気がする。。。


そしてヒガシくんも、すげー顔小さくて綺麗。。


これは出演者含めたスタッフも、観客も、全員で勝負する戦いのような企画でした。
セリフも膨大、セットもほぼ変わらず、出演者も同じ。
3時間の舞台を3幕、これを2本。
題材は、日本ではなく異国だし、時代も違う。
三島由紀夫は、ヒトラーは男性のみで構成される美しさとか、力強さ、政治、軍事、みたいのを描きたくて
サド公爵夫人では、女の汚さ、とか、純粋ゆえの汚さ、とか、正しさ、間違い、美しさ、を描きたかったんだろうな、と。
結局、言いたいことは一緒で、男版、女版のようなきがします。
個人的にはせっかくなら、ヒトラーは宝塚みたいな美しい人たちが男装して演じて、
サドは美しい人達が女装して演じて、パッケージングしたらそれはそれでおもしろそう!と。
同じ人が演じることに意味があるんでしょうが。。。


とりあえず、あれはなんだったんだろう・・・とちょっと考えることにします。
考えなくていいエンターテイメントだったのだろうけど。。。
原作、一応読んでみようかしら。


あ、サドでもヒガシくんと斗真のきゃは〜☆といちゃつくシーン
(こちらは、ドレス姿で追いかけっこして転がる)があったのですが、客席も爆笑でした。
となりの方(知らない人)は「やめてよー!(キャハ☆)」といった反応でした。


美しい男性が女装(コスプレ)で追いかけっこしてる姿に萌えを表現するって
私の思う三島由紀夫の耽美さに合致。
ああ、気持ちよく笑わせていただきました。
だって、坂道でもないのに、ころころ転がるんだよ!なにあれ(笑)